« 沼田祇園祭 其の五 | トップページ | 桑名の石取祭 »

2005年9月22日 (木)

沼田祇園祭 其の六

Dsc03282 沼田の山車は、川越や本庄の山車に似てゐるところからも判るやうに、その形が江戸の祭りに曳き出された山車の影響を受けてゐて、一般的には江戸型の山車と分類されてゐるやうであるが、よく見ると、一層目にある唐破風の屋根の造りや、彫り物の多さなどは秩父地方の屋台の影響を受けてゐるやうに思はれ、それは沼田型山車、あるいは沼田型屋台と呼ぶべきものなのかもしれない。

だが、いづれにしても、現在のやうな山車の形になつたのは大正になつてからで、それまでは今のやうな四本柱の形ではなく、一本柱の上に鉾台を乗せてゐる形で、背も今より随分と高かつたといふ。

本町通りに戻ると、その山車が幾つか既に繰り出してゐて、囃し方の奏でる沼田独特のお囃子と、山車を引つ張る人たちの「わつしよい、わつしよい、」といふ威勢のよい掛け声を聞いた時には、やつと祭りらしい雰囲氣になつてきたと喜んだのであるが、渡辺の綱の人形が乗つてゐる、『ほ久美』(ほ組)と提灯に記された山車にとりあへず附いて行くと、 通りは見物客でごつた返すといふこともなく、警察官に「こら、前に出ちやいかん!」などと規制されることもなく、いかにものんびりとした田舎の町の祭りに浸つてゐるといふ感じであつた。

だが、火焔放射器から発せられた炎のやうな日差しが祭りに参加してゐる人たちの氣勢を殺いでゐるうへに、若い男性たちが都会へ流出して、男性陣の数が少なくなつてゐるのだらうか、山車の中でお囃子を演奏してゐる人も、山車を曳いてゐる人も若い女性や子供ばかりで、役についてゐるオジさんたちは居るものの、血氣盛んな若者たちが山車の周りで酒を飲んで騒いでゐる、そんな大抵の山車祭りにあるやうな熱氣が山車の周辺に今一つ感じられないのであつた。

とは云へ、なにも強いて祭りに荒々しさや熱狂を求めてゐるわけでもなく、このやうなギヤルが主役の山車祭りも、落ち着いた雰囲氣の中に一味違つた華やかさがあつてなかなかよいものだと、若い女性が嫌ひでもない小僧は独り納得したのであつた。

早鉦に祭りの空は鬼と炎え  神楽小僧

|

« 沼田祇園祭 其の五 | トップページ | 桑名の石取祭 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/126829/6069266

この記事へのトラックバック一覧です: 沼田祇園祭 其の六:

« 沼田祇園祭 其の五 | トップページ | 桑名の石取祭 »