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2005年10月21日 (金)

沼田祇園祭 其の八

再び本町通りに戻ると、警備詰め所の脇の日陰に木の長椅子が置いてあつたので、歩き疲れた足を休めようと腰を降ろしたのだが、腹が満たされたこともあつて、知らない間にその椅子に横になつて眠りに落ちてしまひ、それからかなりの時間が経つたのに違ひない、突然の騒音に眼を覚ました時には、いつの間にか辺りは夕闇に包まれてゐて、眼の前の路上では、祭り装束を身に纏つた澤山の人たちが輪になつて、ラヂカセから流れる盆踊りの時に唄はれるやうな曲に合はせて、嬉々として踊つてゐるのであつた。
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まてよ、どうしてオイラはこんな所に居るんだらう、この人たちは一体誰だらう、とその時自分が沼田に來てゐることも忘れて、きよとんとしてゐたのだが、踊つてゐる人たちの後方に山車が一輌置いてあるのに氣がつくと、それまでのことを思ひ出して我に返り、ははーん、夕食の時間といふことで山車の運行も一休み、夜の曳き出しまでの空いた時間、食事を終へた人たちがかうやつて踊つてゐるのだらう、とその時の状況がなんとなく理解できたのであつた。

しかし、踊つてゐるのは年配の人たちと小さい子供たち、それも子供のはうは女の子ばかりで、それが一緒になつて和やかに踊つてゐる様は見るからに微笑ましいものではあつたが、若者の姿が少ないのはやはり寂しい風景であつた。そこで、これは沼田だけに限らず、若者の数が少なくなり高齢化の進むほかの地方都市についても云へることではあるが、都会に出て行つた若者を祭りの時ぐらひは必ず町に呼び戻すやうな工夫がもつと考へられてもよいのではないか、具体的にどのやうな対策を講じればよいのかと問はれると困るのだが、若者の多くが自分たちの祭りに限り無い愛着をもち、町から離れることがあつたとしても、祭りには必ず帰つてこようといふ氣になるのがいちばんよいわけで、さうなれば、祭りも一層盛り上がり、それが町おこしにも繋がつたりするのだから、それにはどうしたらよいか、地元の人たちはもつと考へるべきではないか、有効な対策が必ずあるはずだ、などと、地方の祭りの内情をよく知つてゐるとは云へないのに、沼田の人たちにとつては余計なお世話とも云へることにあれこれ考へを巡らしたのであつた。

はにかみて踊るのも佳し少女らは  神楽小僧

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