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2005年10月 3日 (月)

沼田祇園祭 其の七

Sdsc03399 空腹に耐へられなくなつたので、何処か涼しい所で昼ご飯にしようとそば屋か定食屋を探すが、それらしき店がなかなか見つからない、町並みは似てゐるやうでも、このあたりが東京の下町とは違ふところか、と思ひながらぶらぶらしてゐると、通りから脇に入つた所にやつと一軒の喫茶店を見つけて、何か食べるものでもあるだらうと入つてみると、中は空いてゐるうへにエアコンが効いてゐて、炎熱地獄の外と較べると天国のやうであつた。

だが、カレーライスを注文して、四人掛けのテーブルに独り座つてゐると、突然どやどやと法被姿の男たちが澤山入つてきて、瞬く間に客席は埋まつてしまひ、そのほとんどが中年以上の男性であつたが、皆が皆かき氷の注文に、店の中は忽ち陽氣なしやべり声と、シヤリシヤリ、シヤリシヤリといふかき氷を作る機械の忙しない音に満たされてしまつた。

といふことで、その男たちのうち二人が同席することになつて、突然賑やかになつたテーブルでカレーライスを食べてゐたのだが、男たちの前に運ばれてくるかき氷は清涼感たつぷり、いかにも美味しさうで、うーん、食べたいのは山々だが、このうへかき氷を注文したら帰りの電車賃が無くなるしな、と嘆いてゐると、隣に座つた初老の男が隣のテーブルに座つた仲間との話に忙しく、横を向いてかき氷を食べてゐるのに氣がついた。そこで、カレーライスを食べる合ひ間に、少しぐらゐならいいだらう、と自分のスプーンでその男のかき氷を無断で少しづつ頂戴したのだが、「うん?このかき氷、なんかカレーの味がするぞ」といふその男の声に、慌てて席を立ち、勘定もそこそこに外へ出たのであつた。

裏道を抜けて、倉内通りと呼ばれてゐる広い通りに出ると、そこには古い町屋がちらほら残つてゐて、昔の城下町を幾らか偲ばせるやうであつたのだが、それは自分の育つた町の風景に何処と無く似てゐるやうで、そのやうな所に露店が澤山出てゐて、浴衣姿の子供たちがそれらを覗いてゐる光景は、自分の子供時代を思ひ出させるやうな、なんとなく懐かしいものであつた。だが、沼田の町を歩いてゐて感じるのは、都会から離れてゐるほかの町と同様に、やはり若者の数が少ないといふことで、秩父のやうな、祭りの時に澤山の若者が地元に帰つてくる例もあるのを考へると、そのやうな若者で、この沼田の祭りもまう少し盛り上がつてもよいのだが、そんな様子が見られないのは、祭りのために夏休みなどを取つて都会から帰つてこようといふ若者が少ないのだらうか、などと思つたりしたのであつた。

金時を分けし日は去りかき氷  神楽小僧

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